失業手当受給中のアルバイトを検討している方で、以下のような疑問を抱えていませんか?
「失業手当受給中に4時間ピッタリで働いた場合、失業手当はどうなる?」
「4時間未満で働いた時との違いや、どちらがお得なのか気になる」
「アルバイトを始める際の条件や注意点を詳しく知りたい」
本記事では、失業手当受給中での4時間ピッタリの労働と4時間未満の労働の比較や向いている人の特徴、アルバイトを始める際の5つの条件などを詳しく解説します。
元ハロワ職員<br>阿部失業手当受給中のアルバイトを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
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失業手当受給中に4時間ピッタリでアルバイトしても大丈夫?
失業手当受給中に1日4時間ピッタリでアルバイトをすると、「就労」とみなされ、その日の失業手当は支給されず、受給が先送りされます。
ただし、給付日数自体は消化されず、繰り越されるため、手当の総額が減らず、損失にはなりません。
注意点として、アルバイトをした事実をハローワークに申告しないと、不正受給とみなされる可能性があります。その場合、高額な返還金や罰則が課せられるリスクがあるため、必ず申告するようにしましょう。
参考:はろカフェ|厚生労働省
失業手当受給中に4時間未満でアルバイトをすると減額になる
失業手当受給中に1日4時間未満でアルバイトをした場合は、失業手当が減額されます。
失業手当の制度上、1日4時間未満の労働は「内職・手伝い」として扱われ、収入に応じて支給額が減らされる仕組みです。
減額の計算は、アルバイト収入や基本手当日額を基に行われます。この場合、給付日数が消化されるため、後日に繰り越されることはありません。そのため、4時間未満の労働では、手当の総額が減ってしまう可能性に注意する必要があります。
失業手当受給中に4時間ピッタリでアルバイトするのに向いている人の特徴
失業手当受給中に、4時間ピッタリでアルバイトをするのに向いている人の特徴は以下の4つです。
- 失業手当の総額を減らしたくない人
- 時給の高いアルバイトをしている人
- 所定給付日数に余裕がある人
- 繰り越しによる受給期間延長を活用したい人
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
失業手当の総額を減らしたくない人
失業手当受給中に1日4時間ピッタリでアルバイトをすれば、給付日数が繰り越されるため、手当を満額受け取れます。
例えば、週5日間、毎日4時間ピッタリでアルバイトをした場合、その週の失業手当は支給されませんが、給付日数は消化されずに繰り越されます。
このため、失業手当の総額を維持しつつ、アルバイト収入も獲得可能です。
時給の高いアルバイトをしている人
時給が高いアルバイトを選ぶと、短時間の労働でも十分な収入を得られるため、生活費を補いつつ、失業手当を満額受け取れます。
また、1日の収入が前職の賃金日額の80%を超えない限り、減額の心配もありません。
時給2,000円のアルバイトで1日4時間働いた場合、1日の収入は8,000円です。この収入が前職の賃金日額の80%以内であれば、減額対象にならず、その日の失業手当は後日に繰り越されます。
このため、高時給のアルバイトができる方は、4時間ピッタリ労働で効率的に稼げるでしょう。
所定給付日数に余裕がある人
所定給付日数に余裕がある人も、4時間ピッタリ労働に向いています。
例えば、所定給付日数が120日ある人が、1日4時間ピッタリで週3回アルバイトをした場合、その週に3日分の失業手当は支給されず、繰り越されます。
上記のように働きながらも、失業手当の総額は減らず、受給期間内に余裕があれば全額受け取りが可能です。
給付日数に余裕がある方は、4時間ピッタリの働き方を検討してみるのもよいでしょう。
繰り越しによる受給期間延長を活用したい人
4時間ピッタリの労働は、繰り越しによる受給期間延長を活用したい人にもおすすめです。
4時間ピッタリの労働をすると、アルバイト収入を得ながら、失業手当の総額を減らさず、受給期間を調整できます。
ただし、受給期間の上限である1年(特例で延長可能な場合もあり)を超えると、未支給分が失効してしまうため、計画的な活用が必要不可欠です。
参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)(Q11 雇用保険(基本手当)を受給できる期間(受給できる権利の有効期間)はいつまでですか。)
失業手当受給中に4時間未満でアルバイトするのに向いている人の特徴
失業手当受給中での、4時間未満のアルバイトに向いている人の特徴は以下の4つです。
- 失業手当を減額されてもすぐに受け取りたい人
- 所定給付期間内に全額受け取りたい人
- 就職活動を優先したい人
- 時給が比較的低いアルバイトをしている人
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
失業手当を減額されてもすぐに受け取りたい人
失業手当を減額されてもすぐに受け取りたい人には、1日4時間未満のアルバイトがおすすめです。
収入に応じて失業手当が減額されるものの、受給が先送りされることはなく、早期に手当を受け取れます。
特に、生活費の即時確保が必要な場合や、長期間の受給延長を避けたい場合に有効です。
所定給付期間内に全額受け取りたい人
所定給付期間内に失業手当を全額受け取りたい人にも、4時間未満労働が向いています。
収入に応じて失業手当が減額されるものの、受給が先送りされることはなく、所定給付期間内に全額を受け取れます。
そのため、所定給付期間内での受給の計画を立てやすくなるでしょう。期間内の全額受給を目指す方は、4時間未満の労働を検討してみるのもおすすめです。
就職活動を優先したい人
就職活動を優先したい人にも、4時間未満労働がおすすめです。
アルバイト収入に応じて失業手当が減額されるものの、受給が先送りされず、所定の認定日に失業手当を受け取れるため、就職活動の計画を妨げにくいメリットがあります。
就職活動を優先したい人には、認定日や給付スケジュールが変わらないため、計画的な求職活動を進めやすくなります。
就活を最優先したい方も、4時間未満労働をぜひ検討してみてください。
時給が比較的低いアルバイトをしている人
時給が比較的低いアルバイトをしている人にも、4時間未満労働が向いています。
時給が低い場合、控除額(2025年現在で1,354円)を超える収入が少ないため、減額幅が小さくなります。
そのため、時給が比較的低い人は、失業手当の大部分を維持しながらアルバイト収入を得られるため、1日4時間未満の働き方が適しています。
失業手当受給中にアルバイトをするための5つの条件
失業保険受給中でも、以下の条件を守るとアルバイトできます。
- 待機期間以降に就業する
- 週20時間未満の労働に抑える
- 31日未満の短期雇用に限る
- 前職の賃金日額の80%を超えないようにする
- 失業認定申告書で申告する
それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。
待機期間以降に就業する
失業保険の申請後は、7日間の待機期間が設けられ、いかなる理由であってもアルバイトできません。
待機期間は、失業保険の受給資格を得てから実際に給付が始まるまでの準備期間として設けられ、求職活動の準備や生活の調整を行います。
待機期間が終了すれば、条件を満たすアルバイトを始めることが可能です。ただし、待機期間の終了直後から働き始めると、積極的な求職活動を行っていないと判断される可能性があるため、注意が必要です。
待機期間の詳細は、下記の記事で解説しています。待機期間に関して、より詳しく知りたい方は参考にしてください。

週20時間未満の労働に抑える
失業保険受給中の労働は、週20時間未満の勤務に限定されます。
週20時間未満は、求職活動に支障をきたさない範囲で労働を認めるために設けられている基準です。この基準を超えると、実質的に就職したものとみなされ、失業状態ではないと判断されます。
時間管理には細心の注意を払い、週20時間を超えないようにしましょう。特に、繁忙期や急なシフト変更には注意が必要です。
勤務先にも、この条件を事前に説明し、理解してもらう必要があります。
参考:はろカフェ|厚生労働省
31日未満の短期雇用に限る
失業保険受給中の労働は、31日未満の短期雇用に限られます。
この31日ルールは、長期的な雇用関係を持たず、一時的な収入を得ることを認めるために設けられた基準です。長期の雇用は、実質的に再就職したとみなされるため、失業保険の受給資格を維持できなくなります。
アルバイトを選ぶ際は、契約期間に注意しましょう。短期のイベントスタッフや季節限定のものなど、明確に期間が定められた仕事を選ぶと安全です。
また、同じ雇用主のもとで繰り返し短期雇用契約を結ぶ場合も、合計で31日を超えないよう注意が必要です。
基本手当日額の80%を超えないようにする
失業保険受給中の収入は、基本手当日額の80%を超えないようにしなければなりません。
このルールは、失業保険が「つなぎの収入」であり、最終的には再就職を目指すべきだという考えに基づいています。アルバイトで十分な収入を得られると、新しい仕事を探す意欲が低下する可能性があるため、収入に一定の制限が設けられています。
基本手当日額は失業保険の申請時に決定されるため、アルバイトを始める前に、日額の80%がいくらになるか確認しておくことが大切です。この金額を超えないよう、勤務時間や日数を調整しましょう。
失業認定申告書で申告する
アルバイトした場合は、失業認定日に提出する「失業認定申告書」で必ず申告しなければなりません。
失業認定申告書は、失業状態の継続を確認し、適切な給付を行うための重要な書類です。働いた事実を正確に申告することで、不正受給のリスクを回避し、適切に失業保険を受給できます。
申告の際は、勤務先からの給与明細や勤務表を用意しておくと、正確な情報を申告書に記入できます。
その他、失業保険のもらい方を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

また、失業保険をもらいながらのアルバイトは、条件や申請方法が複雑です。疑問をできるだけ早く解決したい方は、「転職×退職のサポート窓口」への相談をおすすめします!
失業手当受給中にアルバイトをした際に不正受給と認定されるケース
上記の条件を満たせば、失業保険をもらいながらでもアルバイトは可能ですが、一方で不正受給となる場合もあります。
不正受給と見なされるケースの例は、以下の通りです。
- アルバイトしていることを申告せずに隠す
- 実際の労働時間や収入を少なく偽って申告する
- 雇用主と結託して、雇用保険に加入せずに働く
- 週20時間以上または31日以上の雇用であるにもかかわらず、短期のアルバイトと偽る
- 一日4時間以上働いているのに、4時間未満と偽って申告する
- 収入が前職の賃金日額の80%を超えているのに、それを隠す
- 自営業や請負の仕事をしているのに、それを申告しない
これらの行為は、不正受給と見なされ、厳しい処分の対象となります。以下のような措置が取られる可能性があるため、注意しましょう。
- 不正に受給した金額の返還
- 不正受給額の2倍の額の納付
- 最大3年間の失業保険の給付制限
失業保険をもらいながらのアルバイトは正直に申告を行い、規則を守ることが重要です。不明な点がある場合は、必ずハローワークに確認しましょう。不正受給に関して詳細を知りたい場合は、雇用保険制度を参照してください。
また、失業保険の不正受給に関してさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

失業手当受給中のアルバイトに関するよくある質問
失業保険をもらいながらのアルバイトに関しては、多くの方が疑問を抱えています。
- 失業手当受給中におすすめのアルバイトはありますか?
- 失業手当をもらいながら週20時間以内で働く方法はありますか?
- 失業手当受給中にアルバイトをして4時間ピッタリ働くとどうなりますか?
- 失業手当受給中にバイトを4時間以上すると失業手当の支給は先送りされますか?
- 失業手当受給中にタイミーで働くとバレるのでしょうか?
- 失業手当受給中の収入は所得税でバレるのでしょうか?
ここでは、よくある質問と回答をご紹介します。
- 失業手当受給中におすすめのアルバイトはありますか?
-
失業保険受給中におすすめのアルバイトとしては、以下のようなものがあります。
- データ入力
- フードデリバリー
- コールセンター業務
- 家庭教師
上記の仕事は、失業保険受給中の条件(週20時間未満、31日未満の短期雇用)を満たしやすく、柔軟な勤務形態が特徴です。ただし、どの仕事を選ぶにせよ、失業保険の受給条件を守り、適切に申告しましょう。
- 失業手当をもらいながら週20時間以内で働く方法はありますか?
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失業保険をもらいながら週20時間以内で働く方法としては、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 週20時間未満の勤務に厳密に抑える
- シフト制の場合は、20時間を超えないようシフトを調整してもらう
- 複数のアルバイトをする場合は、合計で20時間未満に抑える
- 勤務時間を記録する
- 繁忙期や急な勤務変更に注意する
失業保険をもらいながら週20時間以内で働く方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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失業手当をもらいながらアルバイトして4時間ピッタリ働いた場合、その日は就労日として扱われ、失業状態ではないと判断されます。
そのため、その日の失業手当は支給されず、給付日数が1日分繰り越されます。また、4時間を超えて働いた場合も同様の扱いとなるため留意しておきましょう。
このルールは、失業者の就労意欲を促進しつつ、短時間のアルバイトを認めるための措置です。ただし、頻繁に4時間ピッタリの労働を繰り返すと、求職活動に支障をきたしていると判断される可能性があるため、注意が必要です。
- 失業手当受給中にバイトを4時間以上すると失業手当の支給は先送りされますか?
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失業手当受給中に4時間以上の就労があった場合、その日は就労日とみなされ、その日の失業手当は支給されないことになります。
支給されなかった分は給付日数が1日分延長されるため、支給総額は変わりません。通常の給付期間が終了した後、先送りされた日数分の給付が継続されます。
たとえば、所定給付日数が90日で、その間に10日分の就労日があった場合、90日目以降に10日分の給付が追加で行われる仕組みです。
このシステムにより、短期的なアルバイトを行っても失業手当の総支給額は変わらず、求職活動と両立しやすくなっています。ただし、頻繁に就労日が発生すると給付期間が延びるため、長期的な就職活動のプランニングに影響を与える可能性があります。
- 失業手当受給中にタイミーで働くとバレるのでしょうか?
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失業保険受給中にタイミーで働くと、基本的にはバレる可能性が高いと考えられます。
タイミーなどのギグワークプラットフォームを利用する場合も、ルールを守り、適切に申告することが重要です。週20時間未満、31日未満の就労に抑えるなど、条件を遵守しましょう。
不明な点がある場合は、事前にハローワークに相談し、適切な対応方法を確認することをおすすめします。
- 失業手当受給中の収入は所得税でバレるのでしょうか?
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失業保険給付は非課税所得であり、確定申告の必要はありません。ただし、アルバイトなどで年間の給与収入が103万円を超える場合や、複数の収入源がある場合は確定申告が必要です。
また、収入の有無に関わらず、失業保険をもらいながら働いた事実は、ハローワークに申告しなければなりません。申告しないと不正受給とみなされ、罰則の対象となる可能性があります。
したがって、失業保険をもらいながらアルバイトなどで収入を得た場合は、以下の2つの申告が必要です。
- ハローワークへの申告:失業認定申告書で就労の事実を報告
- 税務署への申告:確定申告が必要な場合は適切に申告
これらの申告を適切に行うことで、法令を遵守しつつ、円滑に失業保険を受給できます。不明な点がある場合は、ハローワークや税務署に相談しましょう。
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失業保険受給中にアルバイトする際は、条件を遵守しながら正確に申告することが大切です。不正受給とならないよう注意しながらアルバイトを行うことで、安定した収入を得つつ、再就職活動を進められます。
不明な点がある場合は、必ず専門家やハローワークに相談し、適切な指示を受けましょう。正しい知識と適切な行動により、失業保険制度を有効に活用し、次のキャリアへの準備を整えられます。
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