元ハロワ職員<br>阿部この記事は、元ハローワーク職員の私が監修しています!
皆さんにより良い情報をお届けいたします。
- 失業保険を受給したいけど条件はある?
- 失業保険は自己都合退職でも満額受け取れるの?
- 失業保険を受け取る流れは?
このようにお悩みではありませんか?
失業保険が「再就職の意思と能力があるにも関わらず、就職できない人」を支援する制度であり、単に退職しただけでは受給できません。
元ハロワ職員<br>阿部そこで、この記事では失業保険を受給するための条件を退職理由ごとに詳しく解説するのでぜひ最後までご覧ください。
また、今すぐ退職後の手当について詳しく知りたい方は、「転職×退職のサポート窓口」に相談するのがおすすめです。
こんなお悩みありませんか?
- 転職・退職後に経済的な不安がある
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失業保険とは?
失業保険は、仕事を失った方が経済的に安定した状態で転職活動を進めるための給付金です。
国による公的な支援で、会社都合だけでなく自己都合で失業した方にも支払われるのが特徴です。支払われる金額は、加入期間と加入条件に基づいて決まりますが、給付を受けるためにはいくつかの条件を事前に確認する必要があります。
また、給付を受けるためにはハローワークを訪れて手続きをしなければなりません。
原則1年間受給できるものの、手続きが遅れると受け取れる金額も減ってしまうため、退職後はなるべく早く申請するのがおすすめです。
失業保険給付の条件とは?自己都合退職を3つのケースに分けて紹介

失業保険給付の条件は退職理由によって異なります。自己都合退職による以下3パターンでの条件を紹介します。
- 一般の離職者のケース
- 特定理由離職者のケース
- 特定受給資格者のケース
失業保険を受給するためには、そもそも失業状態になっている必要があります。失業状態に加えて退職理由ごとに細かな条件が追加されるため、参考にしてください。
一般の離職者のケース
一般の離職者には、転職や独立を前提とした自己都合退職者が当てはまります。病気やケガなどによらない自分の意思による退職で、多くの方が一般の離職者に該当します。
なお、一般の離職者で失業保険を受給するための条件は以下の通りです。
- 失業状態である
- 退職当日までの2年間で、雇用保険へ1年以上通算して加入していた
一般の離職者は原則2ヶ月間の給付制限が課されます。そのため、自分の意思で退職する場合は働かなくてもしばらく生活できるくらい貯金しておくのがおすすめです。
特定理由離職者のケース
特定理由離職者は、病気やケガなど自分の意思に反する理由から退職した方が当てはまる可能性のあるケースです。例えば、以下のような退職理由が該当します。
- 病気やケガ
- 出産や育児
- 親族の介護
- 企業の人員整理で希望退職に応募した
なお、特定理由離職者で失業保険を受給するための条件は以下の通りです。
- 失業状態である
- 退職当日までの1年間で、雇用保険へ6ヶ月以上通算して加入していた
特定理由離職者の中でも相応の理由があると判断された場合には失業保険の給付制限がなかったり受給期間が延長されたりする場合があります。
また、給与が85%以下にカットされた場合や長時間労働を強いられていた場合、セクハラやパワハラを受けていたと認定された場合も給付制限が取り払われることがあります。
特定受給資格者のケース
特定受給資格者は、企業の倒産や突然の解雇などによって再就職の準備期間を十分確保できないまま退職した方が当てはまります。
なお、特定受給資格者で失業保険を受給するための条件は以下の通りです。
- 失業状態である
- 退職当日までの1年間で、雇用保険へ6ヶ月以上通算して加入していた
自分がどのケースに当てはまるのかを確認するためにも、退職をしたらまずハローワークで相談してみるのがおすすめです。
元ハロワ職員<br>阿部特定受給資格者は、皆さんが聞きなじみのある言葉にすると「会社都合退職」です!

失業保険給付で失業状態と認められない5つのケース
失業保険給付で失業状態と認められないケースは以下の5つです。
- 就職の意思がない場合
- 就職する能力がない場合
- 積極的な求職活動をしていない場合
- すでに就業している場合
- 雇用保険の被保険者期間が足りない場合
事前に確認し、自分が失業状態と認められるかどうかを判断しましょう。
就職の意思がない場合
失業保険は、働く意思がない場合や、しばらく休養したい・留学したいなど就職活動の意思がない場合は、制度の趣旨に合致せず、給付対象外となります。
失業保険を受給するためには、再就職に向けて真摯に取り組む姿勢が求められます。
単に働きたくないなどの理由では、給付を受けられないため、制度の目的と照らし合わせて、適切に利用することが大切です。
就職する能力がない場合
前述しましたが、失業保険は「すぐに働ける状態にある人」を支援する制度です。
病気やケガ、妊娠・出産、介護などで就職する能力がない場合は、制度の条件には合致しません。
上記の場合は、傷病手当金や出産手当金、介護休業給付金など、他の社会保障制度の利用を検討する必要があります。
失業保険はあくまで「働ける状態にある人」を前提とした制度です。
ただし、病気やケガが回復して就職活動ができる状態になれば、あらためて失業保険を申請することは可能です。
状況に応じて、適切な制度を利用しましょう。
積極的な求職活動をしていない場合
失業保険は、「就職活動中の生活を支援する」ための制度です。
給付を受けるには、客観的に確認できる求職活動実績が欠かせません。
例えば、ハローワークでの職業相談や求人応募、セミナー参加などの求職活動をまったく行っていない場合や、認定期間中に必要な回数の求職活動実績がない場合は、失業状態と認定されず失業保険は支給されません。
ただし、病気やケガなどで一時的に求職活動ができない場合は、状況に応じて求職活動免除が適用されることもあります。
まずはハローワークに相談し、適切な対応を検討しましょう。
すでに就業している場合
すでに就業している場合も失業保険は受給できません。
失業保険は「積極的に就職しようとする意思と能力があり、現在職業に就いていないこと」が受給の条件です。
例えば、退職後すぐに別の会社に就職した場合、アルバイトや派遣社員として働き始めた場合などは、すでに職業に就いていると判断され、失業保険は支給されません。
ただし、就業時間によっては失業保険がもらえる可能性もあります。
自分が失業保険に該当するか知りたい方は、事前にハローワークで確認してみましょう。
雇用保険の被保険者期間が足りない場合
雇用保険の被保険者期間が足りない場合も、失業手当は受給できません。
失業保険の受給には、原則として「離職日以前2年間に通算12ヵ月以上」の被保険者期間が必要です。
上記の条件を満たさない場合、仮に離職しても失業手当を受け取ることはできません。
例えば、入社後3ヵ月で退職した場合や、欠勤が多く賃金支払基礎日数が11日未満の月が多くて被保険者期間が12ヵ月に満たない場合は、失業手当の受給はできません。
失業保険はいつから受け取れる?

失業保険は、特別な事情のない場合には給付まで約2ヶ月かかります。一方で、退職に相応の理由があると判断された場合には約1ヶ月に短縮されることもあります。
退職後は10日から2週間ほどで以前の勤務先から離職票が届くので、ハローワークに行って求職の申し込みをしましょう。ハローワークでは職員と面談を行い、失業保険の受給資格を確認します。

失業保険のもらい方は?5STEPで手続きの流れを紹介

失業保険を受給するために必要な手続きは以下の流れで進行します。
失業保険をもらう手続きの流れについて
- 必要な書類を準備する
- ハローワークで求職の申し込みを行う
- 雇用保険受給者初回説明会に参加する
- 失業認定日にハローワークに行く
- 失業保険を受給する
失業保険は自分で申請しなければ受け取れません。また、原則1年間しか受給できないため、退職後は速やかに手続きを済ませましょう。
①必要な書類を準備する
失業保険を受給するために、まずは以下の書類を用意しましょう。
- 個人番号確認書類
- 本人確認書類
- 本人の証明写真2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
書類がないとそもそも申請ができないので、退職前に準備しておくのがおすすめです。
②ハローワークで求職の申し込みを行う
必要な書類を用意したらハローワークで求職の申し込みを行いましょう。
必要書類を提出し、求職の申し込みをした日から7日間は「待機期間」となり失業保険は受給できません。そのため、受給を急ぐ場合は早めにハローワークに行くのがおすすめです。
待機期間の後には「雇用保険受給者初回説明会」に参加する必要があるため、場所や日時をしっかりとメモしておきましょう。
③雇用保険受給者初回説明会に参加する
受給資格が認められたら、「雇用保険受給者初回説明会」に参加する必要があります。
説明会の終了後には、失業保険を受け取るために必要な「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が受け取れます。
「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」がなければ失業保険の申請はできないため、説明会には必ず出席しなければなりません。さらに、最初の「失業認定日」についても説明があります。
失業認定日にハローワークに行かなければ失業保険はもらえないため、注意して控えておきましょう。
④失業認定日にハローワークに行く
指定された失業認定日にハローワークへ行き、失業認定を受けましょう。
なお、失業認定を受けるには失業認定日までに2回以上の求職活動を行う必要があります。求職活動には以下のような内容が含まれるため、忘れずに行いましょう。
- ハローワークでの職業相談や職業紹介
- 企業への応募
- 再就職を目的とした資格の取得
- 再就職を目的としたセミナーへの参加
⑤失業保険を受給する
失業保険は、通常5営業日後に指定の口座に振り込まれます。なお、失業保険の給付開始日は自治体によって前後するため、事前に確認しておくのがおすすめです。
その後は、4週間ごとに失業認定を受け続けなければいけないため、求職活動は続けましょう。
失業保険でもらえる金額は?計算方法を解説

失業保険の支給金額は、以下の式で求められます。
基本手当日額 = 賃金日額(退職前半年の合計賃金÷180) × 給付率(50~80%)
最低基本給付金は、過去6ヶ月の平均収入を180で割った金額に対して、50%から80%の給付率を適用することで計算されます。ただし、基本給付金の最低額と最高額は制限されているので、注意が必要です。
基本手当日額の上限と下限について説明します。
基本手当日額の上限について
基本手当日額は以下のように退職時の年齢で異なります。
| 年齢 | 基本手当日額の上限 |
| 29歳以下 | 6,835円 |
| 30歳以上44歳未満 | 7,595円 |
| 45歳以上59歳未満 | 8,355円 |
| 60歳以上64歳未満 | 7,177円 |
基本手当日額の下限について
基本手当日額の下限は、年齢にかかわらず一律で2,125円です。
基本手当の日額の上下限は、毎月の勤労統計の平均定期給与額の変動に応じて調整されるため、時期によって変更される可能性がある点に注意が必要です。

失業保険がもらえなくなる主な3つのケース

失業保険がもらえなくなる主なケースは以下の3つです。
- 年金や傷病手当金など他の給付を受給している場合
- 申請期限を過ぎた場合
- 不正受給や虚偽申告をした場合
上記のケースに当てはまらないよう、失業保険の受給条件をよく確認し、適切に手続きを行うことが大切です。
年金や傷病手当金など他の給付を受給している場合
年金や傷病手当金など他の給付を受給している場合、失業保険(基本手当)は原則としてもらえません。
そもそも失業保険は「働く意思と能力がある人」に支給される制度ですが、年金や傷病手当金は「働けない・働かない状態」を前提とする給付です。
上記のように、制度の趣旨が異なるため、同時の受給ができないのです。
また、傷病手当金や出産手当金などを受給している間も、失業手当は支給されません。
ただし、障害年金など一部の年金は失業手当との併給が可能な場合があります。
また、給付の種類によっては調整措置があり、一定の条件のもとで両方の給付を受けられることもあるため、事前に確認しておきましょう。
申請期限を過ぎた場合
失業保険(基本手当)の申請期限を過ぎると、原則として受給資格を失い、失業保険をもらえなくなります。
基本手当(いわゆる失業手当)は、退職日の翌日から1年間が受給期間と定められており、この期間内に申請しなければ受給資格が消滅します。
期限を過ぎると、仮に失業状態が続いていても、失業保険を受け取ることはできません。
一方、再就職手当や教育訓練給付金など一部の給付金は、2年以内であれば遡って申請できる場合があります。
ただし、あくまで例外的な取り扱いであり、基本的には1年以内の申請が原則です。
失業保険の申請は、退職後できるだけ早めに行うことが大切です。
申請期限を過ぎると受給できなくなるだけでなく、次の失業保険に必要な被保険者期間にも影響します。
参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~(Q11 雇用保険(基本手当)を受給できる期間(受給できる権利の有効期間)はいつまでですか。)
参考:雇用保険の給付金は、2年の時効の範囲内であれば、支給申請が可能です
なお、以下の記事では、失業保険の申請手続きをしなかった場合の影響や対処法を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

不正受給や虚偽申告をした場合
不正受給や虚偽申告が発覚した場合、その時点から失業保険の受給資格をすべて失い、以後は一切もらえなくなります。
失業保険は、あくまで正当な理由による失業を支援する制度です。
偽りの申告や不正な手段で給付を受けることは、厳しく罰せられる行為です。
具体的には、以下のようなケースが不正受給に当たります。
- 退職時の離職理由を偽って申告した場合
- 求職活動をしていないのに活動実績を偽装した場合
- 就職しているのに失業状態だと偽った場合
- 収入がありながら申告しなかった場合
不正受給が認められると、失業保険の支給は即時停止され、すでに受給した金額の全額返還が命じられます。
さらに悪質な場合は、受給額の最大3倍の返還や延滞金、財産差し押さえ、刑事告発などの厳しい処分が科されることもあります。
受給条件をよく確認し、ルールを守って正しく利用することが何より大切です。
再就職手当(就職お祝い金)の給付条件を紹介

再就職手当(就職お祝い金)は以下すべての条件を満たしていた場合に給付されます。
- 待機期間の後に再就職した
- 再就職日の前日までに失業の認定を受けており、雇用保険の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上残っている
- 以前勤務していた職場と密接な関係にある企業に就職していない
- 給付制限がある資格者かつ待期期間満了後1ヶ月の期間内に再就職した場合は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介した職場に就職している
- 再就職先に1年を超えて勤務することが確実である
- 再就職後に雇用保険の被保険者になっている
- 過去3年以内に、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていない
- 受給資格決定前から採用が内定していた再就職先でない
- 再就職手当の支給決定の日までに退職していない
なお、再就職手当の金額は以下の式で算出できます。
失業保険の支給残日数が2/3以上残っている場合
再就職手当=基本手当日額×給付日数の残り日数×70%
失業保険の支給残日数が1/3以上残っている場合
再就職手当=基本手当日額×給付日数の残り日数×60%

失業保険の条件に関するよくある質問
最後に、失業保険の条件に関するよくある質問を3つ紹介します。
- 失業保険はアルバイトやパートでも受給できますか?
- 失業保険の再受給に条件はありますか?
- 失業保険の延長に条件はありますか?
- 退職してすぐに転職する場合も失業保険はもらえますか?
- 受給期間中にアルバイトや副業をした場合はどうなりますか?
それぞれの質問について回答するので、ぜひ最後までご覧ください。
退職後にもらえる給付金について相談するなら「転職×退職のサポート窓口」がおすすめ

この記事では、失業保険を受給するための条件について解説しました。失業保険は失業状態であることが前提で、退職理由によって細かな条件が追加されます。
失業保険を受給するためには2ヶ月ほどかかるため、退職後は可能な限り早く申請するのがおすすめです。
また、今すぐ退職後の手当について詳しく知りたい方は、「転職×退職のサポート窓口」に相談するのがおすすめです。
こんなお悩みありませんか?
- 転職・退職後に経済的な不安がある
- 失業保険がもらえるか不安
- 今の会社に不満があるものの退職に踏み切れない
上記のお悩みがある方は、「転職×退職のサポート窓口」を活用しましょう!







